スカート 1st Single 「静かな夜がいい」 CD+DVD DDCK-1048 / 1800円(税込)

特殊盤面ジャケットです(歌詞カードも封入されてますよ!現物見てのお楽しみ)

CD収録曲 1.静かな夜がいい / 2.雨の音がきこえる / 3.おれたちはしないよ / 4.いつかの手紙 / DVD収録曲 1.いい夜 / 2.ストーリーテラーになりたい / 3.さかさまとガラクタ / 4.ともす灯やどす灯 /5.おばけのピアノ /6.CALL / 7.シリウス /8.回想 2016年5月27日 渋谷WWW  “CALL”発売記念ワンマンライブより Dir:大関泰幸 Art Direction : 森敬太 Photo : 宇壽山貴久子

静かな夜がいいによせて 澤部 渡

年明けに“CALL”というアルバムが出来上がってから強い達成感と同時に「これからどうしよう」という思いがついて回りました。それは具体的に言うと、いい曲が書けた。昔だったら書けないような詩が書けた。いい音で録れた。いい演奏も押さえた。今まで勢いを重視して決して丁寧に取り込んでこなかった歌にもしっかり向き合えた。もしかしてスカートとして名乗りだしてから目標にしていた事の多くをやりきってしまったんじゃないか、という思いでした。実際しばらく作曲は捗らず、形にならない日々が続きました。だったら今までと違うアプローチをしてみよう、と「今までは凝るようにしてきたコード進行に固執しない」という方法で曲を作る事にしてみました。作業を始めた途端にイントロのフレーズを思いつき、そこにコードを当てて、デタラメに歌ってみると「騒ぎを抜け出せば」というメロディと歌詞が浮かび上がる。当時のボイスメモを確認してみるとここまで3分。その後もでたらめに歌っているのですがほぼほぼメロディの原型がこの段階で出来上がっていたことがわかります。「静かな夜がいい」がコード進行うんぬんを抜きにしてもスカート屈指の抜けの良さを持っている理由はこのあたりにも原因がありそうです。そして抜けの良さを助けてくれたのはいつものサポートメンバーたち。楽曲の勢いを崩さないように丁寧さを保ちながら演奏してくれました。特に小気味よくリズムを刻むBパートから間奏へと音が流れ込むあたりは描写としてうまくいったと思っています。トリプルファイヤー鳥居くんのギターも聴きどころ(ソロと右チャンネルから聴こえるパートがそれ)です。C/Wも充実しています。何曲かあった候補曲から、表題曲の勢いを活かしてリズムに重きが置かれた3曲を選びました。”CALL”を買うと一部店舗の特典でついてきた「いつかの手紙」はリズムを手に入れて一層メロディが映えるようになったと思います。「詩先じゃないけど詩先っぽいメロディを書く」というニッチなお題を自らに課した「おれたちはしないよ」もメロディだけじゃなく”いつか君が知らない誰かになっても/おれたちはしないよ”という歌詞も含めてとても気に入っています。今作で唯一、過去に作った曲を再録したのが「雨の音がきこえる」です。何度かレコーディングにチャレンジしていましたがなかなかうまくいかなかったのですがようやく正解が出せました。ドラムテックの伊藤さんが持参してくれた15インチのスネアの音が最高です。録音の話ばかり書いてしまいましたが、「今のスカートはこれだよ!」と胸を張って言えるような楽曲になったのは”CALL”リリース後のWWWワンマンライヴのアンコールで演奏したあのときの反応があってこそです。そしてその曲をシングルを切れる事が素直に嬉しいです。少しでも多くの人に届くように願っています。

初回購入特典

【初回購入者特典CD】
スカート / WORKS #1 (全10曲収録)
M-1:キミの顔
M-2〜M-10:TBS ラジオ SOUND AVENUE 905 JINGLE

スカート澤部渡の音楽仕事は多岐に渡る。その音楽性の幅広さをぜひとも知ってもらいたいと素敵な音楽仕事を立て続けに担当させてもらったので、それらの音源をぜひとも皆さんに!1stシングル発売記念!初回特典としてCDになりました。初回限定なので、ぜひとも入手してください。1曲目を飾るのは、この秋に、Webで公開されたムービー「見られちゃったMOVIE /今日、いい顔デビューしよう。」で使用された楽曲「キミの顔」。こちらは資生堂が女の子の「日常デビュー」を応援する東京ガールズコレクション(以下TGC)とのプロジェクト「TGC DEBUT PROJECT supported by SHISEIDO」の一環として制作されたムービーで、スカート澤部が制作する楽曲の中でも一際軽快でポップで素敵なメロディな楽曲になっている話題の1曲。

2曲目から10曲目は昨年9月—今年の3月までTBSラジオで放送していた音楽番組「SOUND AVENUE 905」のジングルを9パターン収録。ジングル仕事はスカート澤部は大好きで、しかも「SOUND AVENUE 905」には小西康陽さん、佐野元春さん、鈴木慶一さんと澤部が尊敬する方々がパーソナリティーを務めていたこともあり、非常に力の入ったジングルとなっております。こちらも非常に面白い音源となってますので、ぜひCDで聞いてほしい楽曲ばかりです。

初回特典付き店舗(オンライン含む)
・タワーレコード 
・HMV
・DISK UNION
・JETSET RECORD
・ココナッツディスク 池袋、吉祥寺店

その他各地の応援してくれる店舗に!
(別途追記していきます。お楽しみに!)
※店舗によって特典がないお店もありますのでご予約などの際にご確認
ください。展開してくれる店舗はほぼ付いてきます!!!

レコ発ワンマンライブ

【リリース記念ワンマンライブ決定】

スカート 1st Single 「静かな夜がいい」発売記念ワンマンライブ
'' (できれば)静かな夜がいい ''
1月28日(土)@渋谷WWW
開場 17時30分 開演 18時30分
チケット:3000円

チケットオフィシャル先行受付日程 : 11月12日(土) 10:00〜11月19日(土) 23:59 迄 
e+ http://eplus.jp/skirt/

チケット一般発売日 : 11月26日(土) 10:00〜
・e+ http://eplus.jp/skirt/
・チケットぴあ http://t.pia.jp/(Pコード:316-008)※電話予約あり:0570-02-9999
・ローソンチケット http://l-tike.com/(Lコード:75219)

 

お問い合わせ:WWW:03-5458-7685

インストアライブ

スカート『静かな夜がいい』発売前日 澤部渡弾き語り ライブ
開催日時 2016年11月22日(火) 21:00〜
場所 ココナッツディスク吉祥寺店
このイベントは終了いたしました。ご来場ありがとうございました。



スカート『静かな夜がいい』発売記念ミニライブ&特典引換
開催日時 2016年11月23日(祝・水) 21:00~
場所 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
このイベントは終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

静かな夜がいい / Music Video

DVD収録曲「シリウス」 / ライブ映像

Interview

その曲を聴いた瞬間、それまで見えてなかった幕が鮮やかに切り落とされた気がした。渋谷WWW、2016年5月27日、カクバリズムでの初のアルバム・リリースにして、スカートにとっては3枚目のフル・アルバムとなった傑作『CALL』リリース記念のワンマン・ライヴ、その最後の最後に演奏されたのが、新曲だった。その時点では、まだタイトルもできてなかった。その事実が、この曲がまだ生まれて間もないことを報せてくれた。
 これまでのスカートのレパートリーでも16ビートは決して珍しいわけじゃない。『CALL』にも「暗礁」や「回想」みたいな曲がある。でも、あの日、あの瞬間に聴いた曲は、それまでのものとはなにか確実に違った。ありていな言葉でいえば「ふっきれていた」だし、深読みをすれば「次に進もうとしていた」だし、とにかくその名前のない曲を歌う澤部渡と演奏する6人編成のスカート(パーカッションのシマダボーイ、トリプルファイヤーのギター、鳥居真道もこの曲には参加した)には、「次のスカート」を感じた。ソウルフルになりたいわけでも、踊らせたいわけでもないんだろう。でも、あのとき曲を聴いていたわずか3分ほどの時間で、いてもたってもいられなくなって、心がじたばたした。すぐにでもこの曲をリリースしてほしいと願った。
 「静かな夜がいい」というタイトルに決まったと聞いたのは、それからしばらくしてからだった。4曲入りのシングルとして冬のはじまりにリリースされることが決まった。タイトル曲に引っ張られるようにしてできたグルーヴを持つ新曲「いつかの手紙」「おれたちはしないよ」、そしてスカートの古い引き出しにしまいこまれていた大事な曲「雨の音が聞こえる」のバンド・ヴァージョンが収められている。
 街は秋から冬の景色に変わろうとしているけれど、クリスマスのネオンに照らされながら冬装束で街を歩く人たちの心にも、この4曲は熱をくべる。街角で、だれかがふと早足で歩き出すのを見かけたら、その人の耳には「静かな夜がいい」がながれている、そんな気がする。
 というわけで、スカート澤部渡に、「静かな夜がいい」で見せた新展開について、じっくりと語ってもらった。
インタビュアー:松永良平


─「静かな夜がいい」の初披露は、『CALL』のレコ発(渋谷WWW。2016年5月27日)のアンコールでしたよね。

澤部 そうです。『CALL』ができあがって、マスタリングが終わったあとにできました。

─聴いたときにすごく感動したんですよ。終わったあとで「すごくいい」って澤部くんに直接言いました。

澤部 言ってもらって、すごく自信になりましたね。

─「あ、新作出したばかりなのに、こんないい曲がまたできたんだ」って思ったんです。それと同時に「この曲は『CALL』を作らなきゃできなかったんだろうな」ということも感じました。

澤部 そうそうそう。あれは『CALL』を作ったからできたんです。リリース後の取材でよく「アルバムを作って憑き物が落ちた」って言ってましたけど、そのムードが一番反映されたのがあの曲でした。『CALL』が終わってどうすればいいのか考えてたときに、「コードを多用しない」ということはあんまりしてこなかったと思って、すっと作ったんです。

─「いい曲すぎないか?」みたいな戸惑いすらあったんじゃないかと。

澤部 それもちょっとありました。最初に『CALL』の特典で新曲のデモをCDでつけるという案が出たときにこの曲を出そうと思ったんですけど、これは良すぎるかもしれないからちょっと今は出さずに取っておこう、と。それで、「もうちょっとB面感もある曲を」と思って急遽作って特典にしたのが「いつかの手紙」でした。

─あれもまた名曲ですけどね。でも、とにかくライヴで、まだあの時点ではタイトルすらなかった「静かな夜がいい」を聴いたとき、「これはすぐにでもレコーディングして、なんなら夏が終わる前くらいには出さないと!」って僕があせっちゃったくらいで。それくらいスカートにとっての新しい夜明けを感じさせる曲だったんですよ。ヒットすると思ったし。あと、ずばり言うと、この曲の歌詞は「逆DOWN TOWN」ですよね。

澤部 「逆DOWN TOWN」!(笑)

─だって、夜の街に繰り出さないでしょ? 喧騒を離れて静かな場所に向かう。曲はシュガーベイブの「DOWN TOWN」みたいなのに、歌詞は真逆。

澤部 あー、本当だ。それおもしろいですね。

─そして、サビの「気がするけど」「気がするのに」の字余り、心余り感には、ちゃんとスカート澤部の印が押してある。でも、本人的にはそこまで自信作とは思えてなかったみたいですね?

澤部 「いい曲」とは思ってました。でも、「スカート的にこの曲がどうなのか?」という方向では、すぐには自信につながらなかったんですよ。

─メンバーは何も言わないの? シティ・ポップ好きの清水(瑶志郎)くんとか。

澤部 何も言わないです(笑)。気を使ってるのかもしれないし、褒めるのが照れ臭いのかもしれないけど、今までも褒められたことそんなにないですよ。

─コードの制限というのも大きな一因ではあると思うけど、こういう曲ができたことには、もっと他にもきっかけがあるように思うんですが。

澤部 もちろんカクバリズムに所属したという環境の変化も大きいですけど、むしろ、アルバム1枚を作っての心境の変化が大きいんでしょうね。『CALL』を作って死んでもいいくらいの気持ちでもあったし、そういう裏テーマをまっとうしたというのはありましたから。

─「現代人の孤独」というのはスカートの曲に一貫したテーマとしてあるものですけど、それをもっとポピュラリティのあるかたちですっと差し出された感じがあったんです。あと、スカートのいい曲って、リフだったり、コード感だったり、音楽好きな人同士が秘密を共有していって「そう、そこ!」って通じ合ってるような部分があったんだけど、「静かな夜がいい」に関して言えば、もしかしたらそこがなくても成立するようなところがある。XTCなら『スカイラーキング』感というか『オレンジ&レモンズ』感。まっとうなポップさをちゃんとまとってる。4曲のグルーヴ感が統一されてるのもポイントですよね。シティ・ポップというか、ドライヴィング・ミュージックになっている。じつは澤部くんは運転免許保持者だし、よく運転もしてるから、その雰囲気は知っているわけだし。(佐藤)優介くんのキーボードも今回いつもよりもさらに効果的に入ってて。

澤部 いつもはもっと任せっきりなんですけど、珍しく優介には少し注文をつけたんですよ。そういう部分は表れてるかもしれない。

─ちゃんとポップスを作ろうとしてる感じが、シマダボーイも加えての5人とも気持ち良かったんじゃないかなと。カップリングの曲もいいんですよね。「雨の音がきこえる」はすごく古い曲でしょ?

澤部 20歳くらいの曲ですね。

─それが今回違和感なく並んでるのもすごいけど、逆にいうと、20歳ではまだやれない曲だったとか?

澤部 編集盤『消失点』のときに多重録音でやったり、何回か今までも録ってるんですけど、うまくいかなかったんですよね。今回はそれをバンドでやってみたという。

─「おれたちはしないよ」は、これを言うと僕の歳がばれますけど、ザ・フーのロック・オペラ・アルバム『トミー』にラスト・ナンバーが「俺達はしないよ(We're Not Gonna Take It)」。あの「俺達はしないよ」より、スカートの「おれたちはしないよ」のほうが、「おれたちはしないよ」としては正しい。何を言ってるのかわかんないな(笑)。要するに、タイトルに忠実なイメージがあるってことなんですけど。

澤部 「おれたちはしないよ」がこの4曲の中では一番あたらしいですね。

─「静かな夜がいい」ができたから「いつかの手紙」ができて、さらに「おれたちはしないよ」ができた。そういうモードというか、勢いが出てる感じがありますね。

澤部 「確変入っちゃった」みたいな気持ちになりました。資生堂の曲(「キミの顔」資生堂×TGCスペシャルムービー提供曲)も確変期でしたね。その後落ち着いちゃいましたけど(笑)

─いやいや、もっと確変続けていきましょうよ(笑)

澤部 そうですね。パチンコやったことないですけど(笑)

─アーティストの転換点にあふれだすものって重要なんですよ。ハードコアの人がいきなりメロディアスでアコースティックな曲を作り出すとか。そして、そういうときに、こだわったり、ひねくれて自分を縛ってた時期にやっていたことが意外と蓄積として役に立つ、みたいな部分もある。

澤部 それはあると思います。なんだかんだ言って、今回のメロディってちょっと普通じゃない部分もあると思うし。「静かな夜がいい」のサビの「君に~」のところをちょっと濁った感じのメロディにしちゃうとか、「おれたちはしないよ」の三回出てくるメロディが全部違うみたいな、詩が先にあって無理矢理メロディをあてたんだろうな感をわざと出すとか、他の人はあんまりやらないことでしょうね。

─そこが澤部くんの“澤部節”とも言えるところだろうし。そもそも「静かな夜がいい」へのファンの反応も、違和感とか「日和った」みたいなものじゃぜんぜんないし、むしろすごく好意的でしょ。

澤部 そうなんです。それはすごくうれしい。「ソングライターとして今いい時期なのかもしれない」ってちょっと思いましたけど、これは書かないでください、あははははは(笑)

─「書かないでください」をちゃんと付けときます(笑)

澤部 このいいテンションのまま、次のアルバムの制作に入れたら一番いいんですけどね。

─『CALL』のときは、ポール・マッカートニーの『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード』(2005年)が音的なインスピレーションになったという話でしたよね。今回は、そういう参照になった作品はあります?

澤部 あったかなー? 安全地帯とか聴いてましたけど(笑)。今回は曲が先にわーっとできちゃったんで、それに流されて作った感じがあるんですよね。

─さっき「逆DOWN TOWN」って言ったけど、今回、ひょっとして山下達郎のアルバムを聴いてたんじゃないですか?

澤部 そう聴こえました? もちろん好きなんですけど、ずっとシュガーベイブが好きで聴いてきたのに、ソロにはそんなにのめりこめずにいたんです。シュガーベイブのなにがいいかって言ったら、「素敵なメロディー」のヴォーカルの空気感! ああいうところがいいなと思うんです。ソロになってからの達郎さんの良さは、20歳を超えて少しずつわかるようになっていったというか。

─なんで達郎さんの話を持ち出したかというと、理由があって。さっきも言った今回の4曲の統一感なんです。16ビートを基調にして統一されてるじゃないですか。今までの澤部くんだったら、4曲のうち2曲はぜんぜん違うリズムの曲を入れないと気が済まなかったと思うんです。

澤部 じつはあと2曲くらい録ったんですよ。でも、それを入れるのはちょっと違う感じがあって、じゃあこの4曲で固めちゃおうということになったんです。

─そのビートとか世界観の統一感をプロっぽい覚悟に感じたんですよね。「いろんなタイプの曲が書けますよ」というのではなく、ひとつの洗練されたグルーヴ感を売りにしたというのが、それこそシュガーベイブ時代の達郎さんというより、70年代後半あたりの達郎さんを感じさせるんですよ。これは音楽性というより、自分の見せ方としての矜持の話ですけど。

澤部 本当は言わないでおこうと思ってたんですけど(笑)エンジニアの葛西(敏彦)さんと、レコーディングのときに達郎さんの話をしたんです。「今回のシングルどうしよう?」って話をしてる時期に何枚かレコードを持って葛西さんのところに行ったんですよ。そのときに『FOR YOU』(1982年)のLPが一番音がいいって話になって、「こういうのを目指してみたい」って2人で盛り上がって、いろいろ調べたんです。当時の『サンレコ(サウンド&レコーディング・マガジン)』の記事を探したり。

─すごく研究したんですね。

澤部 でも、調べた結果、「これは無理だ!」という結論になりました(笑)。いろいろな状況がパーフェクトじゃないとできない。クオリティの面でも、セールスの面でも「RIDE ON TIME」相応の作品がないと無理だ、と。

─無理なのか!(笑)でも、目指す場所としてのイメージはあったんですね。

澤部 そうですね。『FOR YOU』をやりたかったというのは確かにありました。本来はそこだったので、そのマインドは残ってるはずです(笑)。前田(康二)さんのバーニー・グランドマン・スタジオでのマスタリングも『CALL』のときよりちょっと派手にしてもらいました。

─それもまた『FOR YOU』感?

澤部 結構せめぎ合いもあったんですよ。僕の体質なんでしょうけど、どうしてもローファイに行っちゃうのをハイファイにしなきゃなと。イントロのギターの抜けをよくしたり、聴いた瞬間にパーンと来るようにがんばりました。

─やっぱりそれはプロ意識の表れでしょ。

澤部 そうだといいんですけどね! 前田さんの手腕によるところが大きいですけど。

─もっと重たいファンクっぽい曲とか、ソウルっぽい路線をやってみるのもおもしろい気がします。それこそ今はシマダボーイもいるから、リズム的な遊びはやりやすいし。そしたら、もっと「SPARKLE」みたいな曲ができるかもしれない。

澤部 今回のシングルができちゃったから、次はどのようにでもできちゃうなと思ってます。そういう意味でも、「静かな夜がいい」はあとあと振り返ったときに、ひとつの目印になる曲かもしれません。

─12インチでカットするのもおもしろそう。B面はだれかにリミックスしてもらうとか、いろんな発想ができる曲ですよ。

澤部 それ、いいですね。この曲ならできそう。社長~(笑)